こんにちは、まよいです。
僕の「行き当たりばったり」な性格は、パソコンの周辺機器選びにもいかんなく発揮されます。 これまでは「マウスなんて動けばいい」と、安物の有線マウスを使い倒していました。しかし、数年前からサイト運営を本格化させ、何時間も画面に向かうようになると、ある問題が発生しました。
「右手が、壊れそうだ」
手首の痛み、肩こり、そしてマウスを動かすスペースすらなくなっていくデスクの上。 そんな僕の前に現れたのが、親指でボールを転がす異形のデバイス、トラックボールマウス『M575SPd』でした。
1. そもそも、なぜ「トラックボール」なのか
普通の人はマウスを「滑らせて」カーソルを動かします。でも、トラックボールは違います。本体はそこに鎮座したまま、親指ひとつで世界を動かすのです。
「なんだか、玄人っぽくて格好いい」 そんな行き当たりばったりな動機で手を出しそうになりましたが、僕は慎重でした。なぜなら、僕は「新しい操作に慣れるまで時間がかかる」タイプだからです。
そんな時、たまたま近所の八百屋に行った際のエピソードが、僕の背中を強烈に押すことになりました。
2. 八百屋の店主と、熟れたアボカドの教訓
その八百屋は、街の片隅にある少し古びた店です。店主は、もう何十年も野菜を扱い続けているベテラン。
僕はその日、アボカドを買おうと手を伸ばしていました。どれが食べ頃か分からず、片っ端からアボカドを握ろうとした僕に、店主が声をかけました。 「お兄さん、そんなに動かさなくていいんだよ」
店主は、アボカドの入ったカゴから一つを手に取ると、親指の腹で「スッ」と軽く、本当に繊細な力で表面をなでるように確認しました。 「こうやって、親指だけで『いいやつ』は分かるんだ。余計なところを動かすから、他のアボカドを傷つけるし、自分の手も疲れるんだよ」
その瞬間、僕の脳内で何かが繋がりました。 「余計なところを動かさない。親指だけで全てを把握する。……これだ。トラックボールだ!」
八百屋の店主が教えてくれた「親指の効率学」。 僕はその足で、ロジクールの『M575SPd』をポチりました。
3. 静音という名の「静寂の革命」
今回僕が選んだのは、従来モデル(M575)の進化系、**静音モデル(M575SPd)**です。
クリック音が消えた世界
以前使っていたマウスは、クリックするたびに「カチッ!カチッ!」と高らかな音が部屋に響いていました。深夜の執筆中、その音はまるで自分の焦燥感を煽っているようでした。
しかし、このM575SPd。クリックした感触はあるのに、音は「コッ……」という、まるで雪の上に落ちた小枝のような静かさです。 これなら、深夜にどれだけ試行錯誤して記事を書き直していても、隣で寝ている猫を起こす心配もありません。
Logi Bolt という「繋がる安心」
このモデルは、Bluetoothに加えて、ロジクールの最新ワイヤレス技術「Logi Bolt」にも対応しています。 接続が切れることにストレスを感じやすい「行き当たりばったり」な僕にとって、この「繋がっているという確信」は、何物にも代えがたい安心感でした。
4. 1週間の「親指迷走記」:慣れるまでの試行錯誤
届いたその日、僕は歓喜してトラックボールを握りました。 しかし、ここからが「まよい」の真骨頂。全く使いこなせないのです。
- 初日: カーソルが画面の端から端へワープする。フォルダをクリックしたいのに、虚空をクリックし続ける。
- 3日目: つい、マウス本体を動かそうとしてしまい、机の上のコーヒーカップに激突させる。「あ、これ動かさないやつだった」と自分にツッコミを入れる。
- 5日目: 八百屋の店主の言葉を思い出す。「親指だけでいいんだよ」。力を抜き、そっとボールに触れる。……するとどうでしょう。あんなに暴れていたカーソルが、僕の思考と同期し始めました。
まさに「アボカドの選別」と同じです。 力を入れすぎず、親指の腹の繊細な感覚にすべてを委ねる。 慣れてしまえば、もう普通のマウスには戻れません。手首を固定したまま、最小限の動きで大画面を駆け巡る快感。これはもはや、魔法です。
5. M575SPd が僕にくれたもの
このトラックボールを使い始めて数週間。僕のデスク環境は激変しました。
まず、スペースがいらなくなりました。 以前はマウスを振り回すために、デスクの右側を常に空けておかなければなりませんでしたが、今はトラックボールがそこに「居座る」だけでいい。空いたスペースには、あの八百屋で買ったアボカド(追熟中)を置くことだってできます。
そして、「静寂」という集中力。 カチカチという機械音が消え、親指の滑らかな回転音だけが響く部屋で、僕の試行錯誤はより深く、より静かに進行するようになりました。
結びに:人生も、親指ひとつで変わるかもしれない
ロジクール M575SPd。 それは、ただの入力デバイスではありません。 「余計な動きを削ぎ落とし、本当に大切な一点(ボール)に集中する」という生き方を教えてくれる道具です。
八百屋の店主が親指ひとつで美味しい野菜を見極めるように。 僕もこのトラックボールを使って、このサイトに訪れてくれる皆さんに届ける「美味しい言葉」を、親指ひとつで探し続けようと思います。
もし、あなたが手首の痛みに悩み、デスクの狭さに絶望し、そして「新しい自分」に出会いたいと思っているなら。 勇気を持って、この「親指の世界」へ飛び込んでみてください。 最初は迷走するでしょう。でも、その試行錯誤の先に、最高の操作感が待っています。
僕と一緒に、このボールを転がしてみませんか?

